初恋はカフェ・ラテ色

ショックな日

翌日も雨だった。

うんざりしながら駅に向かう。

昨晩は考えまいとしてもあかりの言葉を考えてしまい、なかなか寝付けなかった。3時間くらいしか眠っていない。

おかげでメイクをしようとしたときに、はっきりくまが出来ていた。目立たないようにメイクしていると、もう家を出ないといけない時間だった。





「――せんせ、心春先生?」

ピアノの前に座っている私を呼ぶ声が。

真美先生に肩を軽く揺さぶられてぼうっとしていたことに気づく。

「あっ! すみませんっ」

園児が帰ったあとで良かった。

不思議そうに見る真美先生。

慌ててイスから立ち上がってぺこりと頭を下げる。

「どうしたの? ぼんやりして。これからみんなで飲みに行こうって話しているんだけど心春先生は行ける?」 

一瞬、カフェに行けなくなるから断ろうと思ったけれど、先生たちとも仲良くしておかなければと思い、参加しますと答えていた。

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