初恋はカフェ・ラテ色
第3章
これはデート
「お帰り」
居間にお母さんとお祖母ちゃんがいてサスペンスドラマを見ていた。
お母さんはテレビから視線を外し私を見てからまた見始める。
もう10時半。そろそろ大事な終盤に差し掛かっているよう。
「ただいま」
「心春、三上のおばあさんからもらった美味しいケーキがあるよ」
お祖母ちゃんが立ち上がろうとする。
「自分でやるからいいよ」
立ち上がろうとするお祖母ちゃんを止めると、腰をもう一度下ろした。
三上のおばあさんというのはお祖母ちゃんのカラオケ仲間。髪を紫色に染めて、世間の情報に長けているからテレビで美味しいと言われる店へ行って、食べたり買ってきたりしているらしい。
「なんでも1時間以上も並ばないと買えなかったそうだよ」
「お風呂に入ってから食べるね」
そんなケーキならすぐに食べたいけれどお風呂に入ってからゆっくり堪能しようと、2階へ上がる。