初恋はカフェ・ラテ色
お風呂から出ると居間に誰もいなくなっていた。

明日も早いからもう床に就いたのだろう。これはいつものこと。

髪をタオルで拭きながら、お祖母ちゃんが言っていたケーキを食べようと冷蔵庫を開けた。

中段に15号くらいのケーキの箱があった。
開けてみると確かに美味しそう。
切り分けてお皿の上に置いたとき、明日のドライブにクッキーを持っていきたくなった。

明日は絶対にジュース1本でもお金も出させてくれないであろうから、なにか持っていきたいと思ったのだ。

以前、クッキーを褒めてくれたのを思い出し、チーズケーキを食べるのを中断し、クッキーの生地を計量して捏ねはじめる。

お抹茶の粉が目に入り、抹茶クッキーと普通の生地で市松模様のボックスクッキーにした。
 
一旦、冷蔵庫で冷やし固めるために時間を要し、抹茶クッキーが焼きあがったのは午前2時近かった。眠かったけれど、明日……今日のためならずっと起きていられる。

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