初恋はカフェ・ラテ色
今日の今までを振り返ってみると、甘さ0%のドライブだった。

やっぱり恋人同士と言うよりかは兄と妹みたいな関係にしかなれないのかな……。
昨日、抱きしめてくれたのは夢だった?

「河口湖の方へ行こうか」
「うん」
 
再び車に乗って河口湖方面に向かう。標高が低くなると雨はやんでいた。

途中、ハーブの店が見えて洋輔さんは駐車場に車を停めた。

「イタリア料理にハーブはかかせないから見る価値あるね」
「ああ。苗を買って店のインテリアにしてもいいね」

中へ入るとハーブの爽やかな香りが漂うところだった。ハーブの苗やポプリやドライフラワーなどがあり、ハーブの種類は100種類以上あるらしい。

ハーブの庭を散歩した後、洋輔さんはバジルやフェンネル、イタリアンパセリの苗木を20鉢ほど買って車のトランクに運んだ。
 
「圭一さんが喜びそう」

厨房を預かる圭一さんの顔を思い浮かべる。

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