初恋はカフェ・ラテ色
「さてと、もう昼か。お腹空いただろう? 食べに行こう」

次に洋輔さんが車を停めたのは新緑まばゆい林に建つ瀟洒な建物の前だった。降りてみるとそこはホテルのようだ。

「ここのローストビーフが美味しいと聞いているんだ」

私が好きなものをちゃんと覚えてくれたことが嬉しい。

「ありがとう。洋輔さん」

ホテルの中へ入りレストランへ足を進める。ロビーも落ち着いた雰囲気のあるインテリア。
 
肉厚のローストビーフに濃厚なマッシュポテト。付け合せと共に食が進む。
生クリームたっぷりのシフォンケーキまで食べてしまうと、ちょっと罪悪感にかられる。

「お腹いっぱい。ごちそうさまでした」

顔の前で両手を合わせてごちそうさまをする。洋輔さんもコーヒーを飲み終えたところ。

「少しこの辺を散歩しようか」
「うん。カロリー消費しなきゃ」

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