初恋はカフェ・ラテ色
紅茶ポットとチョコレートケーキが用意されていた。チョコレートケーキはひとつだけで、私のために頼んでくれたよう。

「大丈夫。今のは突然だったからびっくりしただけ」
「まだ髪を乾かしていないね」

洋輔さんは私の髪に指を滑らせてから洗面所へ行き、ドライヤーを渡された。

「風邪を引かないようにちゃんと乾かすんだよ」

それだけ言うと、洗面所へ消えていった。
 
ドライヤーをベッドのコンセントにつなぎ髪を乾かす。

部屋はシングルのツインルームで、ベッドに座ると落ち着かない気分になる。

乾かしているとまた激しい雷に身体がビクッとなる。

大きな窓のカーテンが開いているから稲妻もよく見えて怖い。おそるおそる窓に近づいて、急いでカーテンを閉める。

稲妻が見えなくなったところでホッとし、小さな丸テーブルのところへ行きイスに座る。

紅茶ポットからカップに紅茶を注ぎ、レモンを1枚浮かべた。

一息ついたところで、洋輔さんの告白を思い出してみる。

本当に洋輔さんは私を好きって言ったんだよね? いつから好きになってくれたのか聞きたい。

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