初恋はカフェ・ラテ色
レモンティーを一口飲む。普段は少し酸っぱいレモンティーも今日ばかりは甘く感じる。

顔の表情が自然と緩んできた。
 
コーティングされた艶やかなチョコレートケーキは、上にぱらりと金粉がかかっている。

さっきもシフォンケーキを食べたばかりなんだけどな……。

甘いものが好きだから、目の前のチョコレートケーキの誘惑には逆らうことが出来ない。

そこで、寝る時間を削って市松模様の抹茶クッキーを作って持ってきたことを思い出した。

バッグからクッキーが入っているタッパーを出してテーブルの上に置く。洋輔さんが出てきたら食べてもらおうと思ったのだ。

少し雷が遠のいた気がする。

そこへ白いTシャツとボタニカル柄の膝上のパンツを穿いた洋輔さんが現れた。

洋輔さんが着ると、その上にジャケットを羽織ればドレスコードのあるお店でも大丈夫そうに見えてしまう。

タオルで髪をわしゃわしゃと拭いている。

「雷、怖かった?」

シンプルなアイボリーのカーテンに視線をやってから同情したような瞳で見つめられた。

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