初恋はカフェ・ラテ色

洋輔さんの告白

「窓が大きいから稲妻が……」
「少し遠のいたみたいだね」

雷の音も忘れた頃にやってくる感じだ。

「うん」

ツインベッドの部屋はそれほど広くなく、私が座る椅子の隣のベッドに洋輔さんは腰を下ろす。

「それは?」

紅茶をカップに注いでいると、タッパーに気づいて手を伸ばす。

「おやつにと思って、作ってきたの」

タッパーのふたを開けた洋輔さんは感嘆の声を上げる。

「きれいなクッキーだね。食べるのがもったいないくらいだ」

市松模様の抹茶クッキーをひとつつまんで口の中へ放り込む。

「美味しいよ。紅茶にも合う。心春は以前からお菓子作りが上手だったね」

もう一つ二つと食べてくれ、作ったかいがあった。自分が作った物を好きな人が食べるのを見るのは幸せを感じる。

「チョコレートケーキは食べないのかい?」

嬉しくて洋輔さんを見つめすぎていた私は我に返る。

「た、食べる」

フォークを持ってチョコレートケーキを一口大に切ろうとすると取り上げられる。

「口を開けて」

口元にチョコレートケーキを持ってこられて、反射的に口を開けてパクっと食べる。

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