初恋はカフェ・ラテ色
私たちが出会ったのは、私が14歳の時。

その後、ちゃんとした会話もなくすぐに洋輔さんはイタリアへ留学してしまったから2年間会っていない。

洋輔さんが戻ってきてカフェをオープンさせてから会える機会は増えたけれど、好きになってもらえるほどじゃない。

「高校の卒業式、断られたもの」
「出会ったのは兄さんたちの結婚式だったね。あの時、本当に綺麗な女の子だと思ったよ。カフェをオープンさせてから時々遊びに来てくれて嬉しかった。内心では心春が来るのをいつも心待ちにしていたんだ。でも……」

洋輔さんはちょっと照れたような顔を浮かべて言葉を切った。

「でも……?」

なにを言われるのか胸が今まで以上に暴れはじめてきた。

「心春の高校の卒業式の日、俺には彼女がいたんだ」

彼女が今までいないわけがないと思っていたけれど、洋輔さんの口から出ると以前のことでも少しショックを受けた。


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