初恋はカフェ・ラテ色
大好きな人の恋愛話を聞くのは複雑な気持ちだったけれど、大好きな人のことだからなんでも知っておきたい。そう思って口を挟まずにただ洋輔さんを見つめていた。

「別れる前から、俺は心春を好きだと気づいていた。頻繁に心春が店に来てくれ、いつの間にか彼女より心春が俺の心に住みついていた」
「洋輔さん……じゃあ、今まで……」

ざっと考えて何年になるんだろう……2年間以上は私を好きでいてくれたってことだよね?

そう考えると、心の中がポッと点火されたように温かくなる。

「成人式、大学の卒業式、俺としては意思表示をしていたつもりだったんだ。でも、一度もプレゼントを身につけたところを見られないし、心春は毎日のように顔を出してくれるけれど、俺をまだ好きでいてくれているのか自信がなくなっていたよ」
「ダイヤのネックレスや腕時計は……いつか自分に自信が持てて洋輔さんに告白するときに身につけようと思っていたの。洋輔さん、言ったでしょう? 大人になって、まだ俺を好きだったらねって。ずっと好きだったけれど、自分が大人になったとは思えなかったの」


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