初恋はカフェ・ラテ色
「行ってきたんだよ」
「行ってきたって、誰と? 遠いじゃない」
「洋輔さんと。それほど遠くないよ」

出掛ける時は友達と出かけてくると言ったけれど、今は正直に言いたかった。

「洋輔さんと!?」

お母さんはびっくりして目を丸くした。

「うん。どうしてそんなに驚くの? たまに出かけていたでしょ?」

と言っても年2回だけど。

「洋輔さんはなんて?」
「えっ? なんてって?」
「だってそんな遠出をするなんて」

さっきからお母さんの口から非難めいた言葉しか出てこない。

「だからそんなに遠くないって」

正直にこれから付き合うことを話そうと思っていた。だけどお母さんの話し方からやめた方がいいのかもと思った。

「お母さん、なんの用?」

話しを変えるために聞くと、聞かなければ良かったと思ったのは直後のことだった。

「順平さんと付き合ってみない?」
「お母さんっ!」

あまりの衝撃に絶句して、口をパクパクさせた。

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