初恋はカフェ・ラテ色
今日のお天気は晴天。
初夏を思わせる気持ちの良い空気で『カフェ・グラン・ロッソ』のオープンテラスにはブランチを食べながら休日を楽しむ人がいた。
そこだけ下町じゃなくて、まるでおしゃれな街ローマにあるカフェみたいだ。
赤い木枠のドアは開けられており、そろりと足を進めた。
「いらっしゃいませ。ああ、柴田か」
太一は私だとわかった途端、なげやりな言葉を投げかける。
「一応、私だってお客さまなんだけど?」
「はいはい。そうだったよな。今日は来るの、早いな。カウンター今いっぱいなんだけど?」
洋輔さんに会いたくて早めに家を出てきた。
太一に言われて見ると、8席あるカウンターのすべての席に女性客が座っている。
それを見た私は絶句してしまう。
「とりあえずあっち行く」
「OK。ほんと、オーナーはモテるよな。お前に勝ち目はないな」
カウンターの中で忙しく動いている洋輔さんはお客様と会話はしていないようだし、私が来たことも気づいていないみたい。
初夏を思わせる気持ちの良い空気で『カフェ・グラン・ロッソ』のオープンテラスにはブランチを食べながら休日を楽しむ人がいた。
そこだけ下町じゃなくて、まるでおしゃれな街ローマにあるカフェみたいだ。
赤い木枠のドアは開けられており、そろりと足を進めた。
「いらっしゃいませ。ああ、柴田か」
太一は私だとわかった途端、なげやりな言葉を投げかける。
「一応、私だってお客さまなんだけど?」
「はいはい。そうだったよな。今日は来るの、早いな。カウンター今いっぱいなんだけど?」
洋輔さんに会いたくて早めに家を出てきた。
太一に言われて見ると、8席あるカウンターのすべての席に女性客が座っている。
それを見た私は絶句してしまう。
「とりあえずあっち行く」
「OK。ほんと、オーナーはモテるよな。お前に勝ち目はないな」
カウンターの中で忙しく動いている洋輔さんはお客様と会話はしていないようだし、私が来たことも気づいていないみたい。