初恋はカフェ・ラテ色
「ずっとこうしたかった」

髪が片方に流され、露わになった首筋に唇が落とされる。私の両手は洋輔さんの手に囚われ、胸の中に閉じ込められている。

「お店で……髪にキスするから驚いたよ」

首筋から頬に移動していく唇。

「俺のものだと誇示したかったんだ」
「……夢見ていたことだから、すごくうれしい……っん……」

頬から唇へ。啄むように上唇と下唇を吸われ、しだいに身体の力が抜けていく。

「どんなに心春にキスしたかったか……」
「待つ理由がわからないよ」

腕の中で向きを変えて、洋輔さんを見つめる。

「それは言えないんだよ」

まただ……どんな理由だったのか……。

でも、昨日もう聞かないと言ってあるので黙るしかなかった。

再び唇が重ねられ、今度は舌が歯列を割って入ってくる。

舌が絡め取られキスが深められた。

このままどうなっちゃうの……?

キスからその先……未知の世界に戸惑いながら蕩けそうなほどの甘いキスを受け入れていく。
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