初恋はカフェ・ラテ色
「こはるてんてー、こはるてんてーのかみのけ、おうまさんのしっぽみたい」

先ほど馬が登場する絵本の読み聞かせをしたせいか、ひよりちゃんがトコトコ近づいてきて、後ろで三つ編みにしている髪を引っ張る。

「ひよりもはやくながくなりたいな」

私の髪を引っ張る行為はどうやら羨ましい感情があるみたい。

「ひよりちゃんの髪もね? 毎日少しずつ伸びているんだよ。だから好き嫌いしないようにいろいろ食べて大きくなれば髪も伸びるからね」
「はーい。ひより、がんばるぅー」

ひよりちゃんは仲の良い和音ちゃんのところへ元気に駆けていった。


今日はプールの時間があり、年少さんは体力がなく帰る頃には全員が眠そうだった。

就業時間が終わり、更衣室で着替え終わるとメイクも手早く済ませる。

「心春先生、今日も服が可愛いね。私の髪、短いからなー フェミニンなワンピースが全然似合わないのよね」

ボーイッシュな里佳子先生はパンツスタイルが多い。


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