初恋はカフェ・ラテ色
「ここ8年ぐらい、そろえる程度にしか切ったことがなかったんで、ショートヘアも憧れているんです。切っちゃおうかな」
「そんな、もったいないわよ」
そんな他愛もない話をしながら、帰り支度を終えた私たちは幼稚園の門を通った。
「あら? あの人、『グラン・カフェ・ロッソ』のオーナーじゃない?」
「えっ?」
里佳子先生が少し先に停めてある車に寄りかかるようにして立つ洋輔さんをいち早く見つけた。
ブルー系のグラデーションサマーニットにジーンズ姿で、愛車アルファロメオの前にいる洋輔さんは雑誌の中から抜け出てきたように洗練されている。
そんな洋輔さんの姿を見てドクッと心臓が跳ねた。
「ね? そうよね? なんかこっち見て微笑んでない?」
里佳子先生のアイドルをみた時のような信じられない声。おまけに私の腕をバシバシ叩いて興奮気味。
マンションへ行くからって言ってあったのに……。
「そ、そう……でしょうか? き、気のせいです。行きましょう」
里佳子先生を促し洋輔さんから遠巻きに歩き始めてから、なんで紹介しなかったのだろうと後悔する。
「そんな、もったいないわよ」
そんな他愛もない話をしながら、帰り支度を終えた私たちは幼稚園の門を通った。
「あら? あの人、『グラン・カフェ・ロッソ』のオーナーじゃない?」
「えっ?」
里佳子先生が少し先に停めてある車に寄りかかるようにして立つ洋輔さんをいち早く見つけた。
ブルー系のグラデーションサマーニットにジーンズ姿で、愛車アルファロメオの前にいる洋輔さんは雑誌の中から抜け出てきたように洗練されている。
そんな洋輔さんの姿を見てドクッと心臓が跳ねた。
「ね? そうよね? なんかこっち見て微笑んでない?」
里佳子先生のアイドルをみた時のような信じられない声。おまけに私の腕をバシバシ叩いて興奮気味。
マンションへ行くからって言ってあったのに……。
「そ、そう……でしょうか? き、気のせいです。行きましょう」
里佳子先生を促し洋輔さんから遠巻きに歩き始めてから、なんで紹介しなかったのだろうと後悔する。