初恋はカフェ・ラテ色
「洋輔さん、男性と付き合ったことがない心春と付き合うんだから、これくらいは仕方ないわよね？」
「俺はもうさっきのことはなんとも思ってないよ。そんな心春が可愛い」
「あらあら、妬けるわね～　そんな甘いセリフが洋輔さんの口から出るとは。あ！　いけない。将生さんが帰ってきちゃう」

桜子ちゃんは洋輔さんを茶化すと、笑って料理を始めた。

数分後、将生さんが帰宅して食事が始まった。

桜子ちゃんの手料理はずいぶんと上達している。結婚したときは、料理はほとんど出来なかった。
結婚してから料理教室やお姑さんから習ったと以前言っていた。

お姑さんやお舅さんとの関係はとても良好らしい。理解があって社交的で優しい方々なので、将来こういう人たちが義理の両親になってくれたらと前から思っていた。

洋輔さんと結婚出来たら……だめだめ。まだそんな話なんて出そうもないって。

桜子ちゃんのおかげで、私と洋輔さんのぎこちない雰囲気はなくなり、いつものように会話が弾む食事の時間だった。

< 159 / 263 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop