初恋はカフェ・ラテ色
「じゃあ、おやすみ」

洋輔さんは車から降りると、門扉の前まで送ってくれる。

「はい。気をつけてね。おやすみなさい」

額に唇がそっと当てられ、洋輔さんは車に戻って行った。

ずっと見てしまっていると、早く家の中へ入れとジェスチャーされて、にっこり手を振ると玄関を開けた。

玄関のドアを閉めてから数秒後、車のエンジン音が去って行った。

静かにパンプスを脱いでそのまま2階の自分の部屋に直行する。その足取りは羽が生えたように軽く思えた。

自室に入り、ベッドの端に腰かけると先ほどの洋輔さんのプロポーズを思い返してみる。

「私、本当に洋輔さんからプロポーズされたんだ!」

嬉しくて叫び出しそうで、枕に顔を突っ伏す。

ベッドの上でジタバタ足を動かし、声にならない感激を身体で逃す。

ふと、どうして付き合って間もないのにプロポーズしてくれたのか疑問に思う。

話もはぐらかされた感じだった……。
でも、洋輔さんの「好き」を信じよう。


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