初恋はカフェ・ラテ色
「……はぁ」

洋輔さんは思いっきりため息を吐いた。

「俺も行くよ」
「でも、お店が」
「少しぐらい外したって困らないから大丈夫」

そうと決めたら洋輔さんの行動は早くて、圭一さんに野菜のリゾットを作ってもらいに厨房へ行った。

リゾットの用意が出来て、途中のコンビニでスポーツ飲料を多めに買って太一のワンルームマンションへ向かう。

5階建てのワンルームマンションの4階に部屋を借りて太一は住んでおり、それほど古くもなく、新しくもないけれどエレベーターがなくて階段なのがつらい。

運動不足がたたって、4階に着いたとき私の息は軽く上がっていた。洋輔さんの呼吸はまったく変わらない。

うーん、体力の差……。

前もって連絡を入れてありインターホンを押すと、ぼさぼさ頭の太一が顔を出した。

「オーナー、わざわざすみません。ん? お前も来たのか」
「お前も来たのかって、心配してやって来たのにっ」

太一の顔を見た早々、頬を膨らませる。

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