初恋はカフェ・ラテ色
「ただいま~」
「お帰り~」
居間からお母さんの声。まだテレビを見ているみたい。
「お母さん、ケーキもらったの。食べ――」
ガラス戸を引いて顔を出してから目が点になってしまう。
いつもこの時間には寝ているお父さんがまだいたのだ。
「ケーキだと? 和菓子屋の娘によくも洋菓子なんざくれるもんだな」
はぁ~ お父さんの洋菓子嫌いは一生直らないや。
「お父さん、なにを言ってるんですか」
お母さんがたしなめてくれるけれど、お父さんはどこ吹く風、聞く耳をもたない。
「お風呂入って寝るね。おやすみなさい」
お父さんの言葉は受け流すしかない。いつだって話が合わないのだから。
お父さんの下で10年もやっている順平さんが本当にすごいなと思う。
私は親子だから理不尽なことも仕方ないと思うようにしているけれど、順平さんはただの師弟関係だからね。
肘をついて机の上に置いたケーキの箱を眺める。
作っても食べてもらわないともったいないよね……私ひとりで食べたら太っちゃうし……。
「お帰り~」
居間からお母さんの声。まだテレビを見ているみたい。
「お母さん、ケーキもらったの。食べ――」
ガラス戸を引いて顔を出してから目が点になってしまう。
いつもこの時間には寝ているお父さんがまだいたのだ。
「ケーキだと? 和菓子屋の娘によくも洋菓子なんざくれるもんだな」
はぁ~ お父さんの洋菓子嫌いは一生直らないや。
「お父さん、なにを言ってるんですか」
お母さんがたしなめてくれるけれど、お父さんはどこ吹く風、聞く耳をもたない。
「お風呂入って寝るね。おやすみなさい」
お父さんの言葉は受け流すしかない。いつだって話が合わないのだから。
お父さんの下で10年もやっている順平さんが本当にすごいなと思う。
私は親子だから理不尽なことも仕方ないと思うようにしているけれど、順平さんはただの師弟関係だからね。
肘をついて机の上に置いたケーキの箱を眺める。
作っても食べてもらわないともったいないよね……私ひとりで食べたら太っちゃうし……。