初恋はカフェ・ラテ色
今日はスキニ―タイプのジーンズと肩のフリルが可愛い薄い水色のブラウスを着た。ジーンズに合わせてちょっと大人びた5センチのエナメルのパンプスを選んだ。

色々入っているトートバッグを肩から下げて玄関を出た。

洋輔さんに会える逸(ハヤ)る気持ちを抑えながら駅に向かう。

カフェへ到着すると、スタッフのひとりがオープンカフェの用意をしていた。まだ10時半を回ったところで、カフェのオープン時間は11時。今は準備に追われている時間帯だ。

ちょっと早く着きすぎちゃった……。

本屋さんにでも行って時間をつぶそうか迷っていると、買い物袋を提げた圭一さんが近づいてきた。

「おはよう。心春ちゃん、今日は早いね」
「おはようございます。まだ準備中でしたね。ちょっと時間をつぶしてから来ます」

圭一さんに頭を下げて行こうとすると行く手を塞がれる。

「洋輔の彼女の心春ちゃんが何言ってんの。さあ、中へ入って」

圭一さんは笑って私をお店の中に促す。

「心春ちゃん、おはよう」

いつものように奈々さんが明るい笑顔で出迎えてくれる。

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