初恋はカフェ・ラテ色
「心春ちゃん、ケーキごちそうさま。お友達はケーキ焼くの上手なのね」
「よ、喜んでもらえて友達も喜びます」
「オーナー、あとで食べてみてくださいね。美味しかったので」

作業が一段落した洋輔さんに奈々さんが伝えてくれる。皆には悪いけれど、本当に食べてほしいのは洋輔さん。

「それは楽しみだな」
「あとで感想くださいね。友達に言っておくから」

嘘で心苦しいけれど、洋輔さんの感想が欲しくて言っていた。

少しして片頭痛が酷くならないうちに帰ることにした。

店が終わったら電話すると、洋輔さんは約束してくれ私は店をあとにした。


翌日の日曜日、遅い朝食を食べ終わったころ、お店に出ていたお母さんが忙しそうに入ってきた。

「あ、ちょうど良かったわ。心春、冷たい麦茶をお客様に出してくれない?」
「すぐに持ってく」
「あ、それと麦茶沸かしといてね」
「はーい」

お母さんが忙しそうに出て行く。
台所へ行って冷蔵庫から1リットルの冷茶ポットと、紙コップを持って店に向かう。
< 183 / 263 >

この作品をシェア

pagetop