初恋はカフェ・ラテ色
「……実は――」

私は14歳の頃から片思いをしていたことから、最近両想いになってプロポーズされたこと、そして今日の出来事を閊(ツカ)えながら話した。



「心春先生があのイケメンオーナーの彼女だなんていまだに信じられないわ……」

里佳子先生は驚きを隠そうとしない。目を丸くして私を見てため息を吐く。

あの……相談に乗ってくれるって言ったから……。

里佳子先生に話をしているうちに、気持ちはほんの少しずつだけどよくなってきていた。

「やだぁ! あのとき心春先生を待っていたんじゃない!」

幼稚園の外で洋輔さんが待っていてくれたときのことだ。

コクッと頷くと、いきなり里佳子先生はゲラゲラ笑いだした。

「もうっ、ほんと心春先生って可愛いよ」
「あのときは恥ずかしかったんです」

照れ隠しに溶けかけているマンゴーパフェに乗っているアイスを一口食べる。

「それにしてもお父さん、すごいね。今時、娘の結婚に有無を言わさず、好きじゃない人としろだなんて」
「うちのお父さん、変わってるから……」

いや、変わっているだけで済ませられる問題じゃないか……。

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