初恋はカフェ・ラテ色
「洋……輔さん……」

包み込む手を離さずに洋輔さんは席を立つとこちらへやって来る。
見つめる涼やかな眼差しに、私の胸が暴れはじめ目をそらすことを忘れた。

「心春」
「ぁ! きゃっ」
包み込まれていた手を引っ張られて、私の身体は洋輔さんに抱きとめられていた。

「洋……」

唇が重なりいきなり舌を絡め取られる。

「んっ……」

何度も何度も角度を変える深いキスに、身体の芯が蕩けそうなほど熱くなり、足に力が入らなくなる。

へなへなと座り込みそうになると、私を支える手に力が入って唇が離れる。

「どれだけ心春が欲しかったかわかる?」

本当に欲しいと思ってくれている……?

「大事な子だから、触れるのが怖かったんだよ」

その言葉で私の不安は飛んでいった。

「私も……」
「心春」

熱のこもった瞳で見つめてから、唇が再び塞がれる。

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