初恋はカフェ・ラテ色
ぎこちない家族
「……順平さん、お父さんの言うことを真に受けないでください」
「真に受けているわけじゃないですよ。おやっさんが俺と心春ちゃんの結婚を望んでいるのを知って内心嬉しかったけど」
「順平さんと結婚は出来ません。ずっとお兄さんみたいに思っていたけれど、それは愛しているの感情じゃないので」
兄のように慕っていた順平さんにきつい言葉を言わなくてはならないのが心苦しい。でもわかってもらわなければ、このままずるずると結論がつかないままになってしまいそうだ。
「松下さん……男の俺から見てもカッコいいですね。長い間片思いできたのも分かる気がする。だけど、ずっと心春ちゃんの気持ちを弄んでいたんじゃないかと思う」
「私の気持ちを弄んでいたなんて、そんなことありませんっ!」
思わず握り拳に力が入る。
「あんなイケメン、モテて困るんだろうな。心春ちゃんはそのうちの1人なんじゃ――」
「やめてっ! 洋輔さんのことをよく知らないでそんなこと言ってもらいたくない」
「俺なら一生、心春ちゃんだけを見るよ」
「順平さん!」
胸の中に籠る苛立ちを吐きだそうとしたとき、ウエイトレスが飲み物を運んできた。
「真に受けているわけじゃないですよ。おやっさんが俺と心春ちゃんの結婚を望んでいるのを知って内心嬉しかったけど」
「順平さんと結婚は出来ません。ずっとお兄さんみたいに思っていたけれど、それは愛しているの感情じゃないので」
兄のように慕っていた順平さんにきつい言葉を言わなくてはならないのが心苦しい。でもわかってもらわなければ、このままずるずると結論がつかないままになってしまいそうだ。
「松下さん……男の俺から見てもカッコいいですね。長い間片思いできたのも分かる気がする。だけど、ずっと心春ちゃんの気持ちを弄んでいたんじゃないかと思う」
「私の気持ちを弄んでいたなんて、そんなことありませんっ!」
思わず握り拳に力が入る。
「あんなイケメン、モテて困るんだろうな。心春ちゃんはそのうちの1人なんじゃ――」
「やめてっ! 洋輔さんのことをよく知らないでそんなこと言ってもらいたくない」
「俺なら一生、心春ちゃんだけを見るよ」
「順平さん!」
胸の中に籠る苛立ちを吐きだそうとしたとき、ウエイトレスが飲み物を運んできた。