初恋はカフェ・ラテ色
「どうしましたか?」
「水羊羹とくずまんじゅうを」
目と目を合わせられなくて、工場に視線をさまよわせながら言う。
「すぐに持っていきます」
「いえ! 私が持っていきます」
「けっこう重いから持っていきますよ」
順平さんはそう言うと、業務用の冷蔵庫に向かった。
同窓会は19時から。場所は隣の駅から徒歩5分の洋風居酒屋。
「お母さん、同窓会に行ってくるね」
「いってらっしゃい」
夕食の支度をしているお母さんに声をかけて玄関に行く。ターコイズのビジューがたくさん付いているサンダルに足を入れる。
細身のジーンズにライム色のTシャツ。色気は全くない装いだけど、同窓会で彼氏を探しに行くわけじゃないから、おしゃれは無用だった。
好きだった男子生徒がいたとしたら……今も好きだとしたら、目一杯おしゃれをして参加したかもしれない。
でも、高校の時も洋輔さん一筋だったから、はっきり言って男子生徒は眼中なく、もしかしたら今日会っても名前が分からないかもしれない。
電車を降りて改札に向かっていると、誰かに肩を叩かれた。
「水羊羹とくずまんじゅうを」
目と目を合わせられなくて、工場に視線をさまよわせながら言う。
「すぐに持っていきます」
「いえ! 私が持っていきます」
「けっこう重いから持っていきますよ」
順平さんはそう言うと、業務用の冷蔵庫に向かった。
同窓会は19時から。場所は隣の駅から徒歩5分の洋風居酒屋。
「お母さん、同窓会に行ってくるね」
「いってらっしゃい」
夕食の支度をしているお母さんに声をかけて玄関に行く。ターコイズのビジューがたくさん付いているサンダルに足を入れる。
細身のジーンズにライム色のTシャツ。色気は全くない装いだけど、同窓会で彼氏を探しに行くわけじゃないから、おしゃれは無用だった。
好きだった男子生徒がいたとしたら……今も好きだとしたら、目一杯おしゃれをして参加したかもしれない。
でも、高校の時も洋輔さん一筋だったから、はっきり言って男子生徒は眼中なく、もしかしたら今日会っても名前が分からないかもしれない。
電車を降りて改札に向かっていると、誰かに肩を叩かれた。