初恋はカフェ・ラテ色
翌日、洋輔さんの熱は完全に下がったけれど、咳が出るのでお店を休まなければならなかった。
咳が治まったのは3日後で、その間進藤さんが活躍していたよう。

私の方は保育が終わり夏休みに入った。

幼稚園の夏祭りも園長先生が用意してくれたしめの花火で盛り上がり、園児たちの楽しい思い出の一つになったはず。

年長さんの1泊2日のお泊り保育が先ほど終わり、暑気払いをかねて園長先生をはじめ職員たちで飲みに行った。

初めてのお泊り保育で疲れている上にビールを2杯飲んで、私の足はふわふわしながら洋輔さんのマンションに向かっていた。

製菓教室や夏祭り、そしてお泊り保育の準備やらで忙しく、洋輔さんが寝込んだ日に行った以来会っていなかった。

メールのやり取りだけでは寂しく、すでに22時を回っていたけれど会いたくて仕方なかった。




「あ……鍵持ってなかった……」

マンションのエントランスでOLらしき女性がマンション内へ入るとき、一緒に入ったせいで玄関前まで来て今日は鍵を持って来ていなかったことに気づく。

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