初恋はカフェ・ラテ色
「だって、そんなこと一度もなかったから」
「最近、心春は遠慮ばかりして食べていってくれないからね」
「え、遠慮なんてしてないですって。夕食があるから」
私が遠慮していたのをわかっていたんだ。
「いや、敬語になるのは心春が遠慮している証拠だよ」
そんなことないと、口を開いたとき奈々さんがやって来て洋輔さんにコーヒーとカフェオレをオーダーする。
洋輔さんはすぐに取りかかり、2人分のオーダーを作り終えてから、もう一度私のカフェラテを作ってくれる。今度は可愛いクマの絵だ。
「ありがとうございます」
「ほら、まだ敬語になったままだ。遠慮しないで飲んで」
コクッと頷き、一口飲んだ後いつものように泡の髭を作ってしまってから慌てて手の甲で拭おうとした。
その手が洋輔さんに掴まれ止められる。
「俺の役目を奪うのかい?」
とっさに私の手をとめたせいか、いつものように紙ナプキンを持っていない指先が唇を拭う。
心臓がドクンと大きく音をたてて暴れはじめた。
触れてほしかった洋輔さんの指が私の唇に……。
目の前がくらくらしてきた。
「最近、心春は遠慮ばかりして食べていってくれないからね」
「え、遠慮なんてしてないですって。夕食があるから」
私が遠慮していたのをわかっていたんだ。
「いや、敬語になるのは心春が遠慮している証拠だよ」
そんなことないと、口を開いたとき奈々さんがやって来て洋輔さんにコーヒーとカフェオレをオーダーする。
洋輔さんはすぐに取りかかり、2人分のオーダーを作り終えてから、もう一度私のカフェラテを作ってくれる。今度は可愛いクマの絵だ。
「ありがとうございます」
「ほら、まだ敬語になったままだ。遠慮しないで飲んで」
コクッと頷き、一口飲んだ後いつものように泡の髭を作ってしまってから慌てて手の甲で拭おうとした。
その手が洋輔さんに掴まれ止められる。
「俺の役目を奪うのかい?」
とっさに私の手をとめたせいか、いつものように紙ナプキンを持っていない指先が唇を拭う。
心臓がドクンと大きく音をたてて暴れはじめた。
触れてほしかった洋輔さんの指が私の唇に……。
目の前がくらくらしてきた。