初恋はカフェ・ラテ色
喉まで出かかった言葉を飲み込みうつむくと、洋輔さんの手はポンポンと私の気持ちを和らげるように動いた。
「娘さんを愛しています。結婚に必要なのは一生お互いを愛するということではないでしょうか? 心春さんも私を愛してくれています。彼女と幸せな家庭を作りたいんです。娘さんが好きでもない男性と結婚して幸せになれるでしょうか?」
「て、てめぇ! 俺に説教するって言うのか!?」
みるみるうちに顔が赤くなったお父さんは声を荒げた。
「いいえ。説教ではありません。親なら娘の幸せを望むはずだと言っているだけです」
お父さんの怒りにも洋輔さんの柔らかい口調は変わらない。
「うちの店はどうするんだ!」
「あなた、そんなケンカ腰にならないで。いくらなんでも失礼ですよ」
あまりに激怒するお父さんに麦茶を運んできたお母さんがたしなめる。
「3代続いた『柴田屋』が潰れてもいいって言うのか!」
「治夫! お前はまだそんなことを言ってんのかい!」
お父さんより大きな声を張り上げたのは、奥のふすまから出てきたお祖母ちゃんだった。
「娘さんを愛しています。結婚に必要なのは一生お互いを愛するということではないでしょうか? 心春さんも私を愛してくれています。彼女と幸せな家庭を作りたいんです。娘さんが好きでもない男性と結婚して幸せになれるでしょうか?」
「て、てめぇ! 俺に説教するって言うのか!?」
みるみるうちに顔が赤くなったお父さんは声を荒げた。
「いいえ。説教ではありません。親なら娘の幸せを望むはずだと言っているだけです」
お父さんの怒りにも洋輔さんの柔らかい口調は変わらない。
「うちの店はどうするんだ!」
「あなた、そんなケンカ腰にならないで。いくらなんでも失礼ですよ」
あまりに激怒するお父さんに麦茶を運んできたお母さんがたしなめる。
「3代続いた『柴田屋』が潰れてもいいって言うのか!」
「治夫! お前はまだそんなことを言ってんのかい!」
お父さんより大きな声を張り上げたのは、奥のふすまから出てきたお祖母ちゃんだった。