初恋はカフェ・ラテ色
「洋輔くん、わからずやの親ですまないねぇ。洋輔くんのような方が心春をもらってくれるなんてありがたいことだよ」

お祖母ちゃんの言葉に私はキョトンとなった。
縁側で話をしたとき、私たちの結婚を賛成しているなんて一言も言わなかったのだ。

「ば、ばあさん、なにを言ってるんだ!」

お父さんの声の張りが、お祖母ちゃんの登場で急に変わった。

お祖母ちゃんは斜め横の空いている席に座り、お父さんを厳しい表情で見据える。それから私たちの顔を見てから口を開いた。

「心春が洋輔くんに一目ぼれをしたのは14歳の時だったね。あれから8年も経ったんだねぇ。好きになったらとことん好きになる。いいじゃないか。あたしは心春が孫で嬉しいよ」

昔を思い出すようにお祖母ちゃんは話しだした。

「8年以上も片思いをさせるなんざ、洋輔くんによっぽど魅力があるんだねぇ」
「ケ、ケフェなんかやってるやつはなよなよした軟弱な奴に違いねえ。そんな軟弱な奴が心春はいいって言ってんのか。やってらんねえな」

お父さんは不機嫌そうにそっぽを向く。

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