初恋はカフェ・ラテ色
「心春、ウエディングドレスなら披露宴で着ればいいよ。そうだな。心春の白無垢もキレイだろうから出席者に見てもらって、ドレスはお色直しで。それに白無垢は結婚式でしか着られない格の高い着物だから見てみたいな」

気落ちしている私は大人な洋輔さんに言いくるめられ、神社で神前式の挙式を挙げることになった。

結婚式は秋ぐらいにと考えていたけれど、予約をしに行った時にたまたまキャンセルが入ったと言うことで、5月の挙式を勧められた。

それに秋は予約でいっぱいだった。

早すぎる気持ちもあったけれど、早く洋輔さんのお嫁さんになりたい気持ちの方が大きくて5月に決めた。

着てみると白無垢は見た目よりずっと重かった。白無地のように見えるけれど、おめでたい刺繍がびっしりとされているせいなのか。

かつらも重いし。でも身につけると神々しい何かに包まれた気がした。

洋輔さんも白い紋付き袴。

いつもと違い前髪を後ろに流し、端正な顔を際立たせる凛々しい洋輔さんだった。

神前式にして唯一良かったのは、和装の洋輔さんが見られたこと。



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