初恋はカフェ・ラテ色
「お父さんっ! 子供には好きな道を進まるからねっ!」
「だからもっと産めばいいんだ! 洋輔くん! 頼んだぞ!」

はぁ? なんのお願をしているのやら。

洋輔さんに真剣に頼むお父さんを見て、呆れて口が塞がらなかった。

そんなお父さんに洋輔さんは笑顔で「はい!」なんて返事している。

呆れた笑いをすると、出産の下腹部の痛みに顔が引きつる。

「心春、大丈夫かい?」

洋輔さんは心配そうだ。

ふとこの痛みで思いつく。

「うん。お父さん! こんな痛い思いはしばらく嫌だからね!」
「なにいってんだ! 赤ん坊が可愛くてすぐに生みの苦しみなんざ忘れるんだ。なあ。母さん」
「心春は職業にするほど、子供が好きですからね」

お母さんまでお父さんに賛同している。

お父さんの突拍子もない言葉に、さっき驚いて声を上げたくせに……。

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