初恋はカフェ・ラテ色
洋輔さんのふだん着ているシャツじゃなくて残念に思うのって、変態じみているのかも。

「はい。ありがとうございます」

洋輔さんはリビングの隣にあるドアへと案内してくれる。

寝室に足を踏み込むとダブルベッドより広いベッドがあって、胸がドキドキ暴れはじめてくる。

ここが洋輔さんの寝室なんだ……。

ブルーの寒色系でまとめられた寝室はスッキリしている。男性らしい部屋だった。

洋輔さんの部屋がどんなのだろうかと想像すること数知れず。でも、実際に男性の部屋へ入ったことがない私にはどんな風なのか全く見当もつかなかった。

濡れたワンピースを脱ぐと、ブラジャーも湿っていた。だけど、それも脱ぐわけにはいかず借りたワイシャツを羽織る。

着てみるとワイシャツの裾は太ももの中間あたり。

寝室に全身が映せるスタンド式の姿見鏡があり、その前に立つとギョッとなる。

手は袖から出ていなく、胸元も開き過ぎている。袖をまくり、胸元をきっちり上までボタンを留めてみても、ワイシャツの丈はどうすることも出来なくて、とても心許ない格好だ。
 
それでも真新しいとはいえ、洋輔さんのワイシャツを身につけた喜びから頬が緩んでくる。

< 36 / 263 >

この作品をシェア

pagetop