初恋はカフェ・ラテ色
洋輔さん、大きいんだ……。

身長が180センチを超えているのは十分承知している。だけど、こんなに近づいたことはなくて嬉しかった。

「心春? 着替えた? 着ていたワンピース乾かすから」

洋輔さんの声がドアの向こうから聞こえてハッと我に返る。

「あっ! はいっ!」

タオルに包んでいたワンピースを手にすると、寝室のドアを開けた。
 
ドアの前に立っていた洋輔さんに手を差し出される。洋輔さんは水色のサマーニットとジーンズ姿になっていた。

「自分で入れてくるよ」

なにからなにまでやってもらうなんて申し訳ない。

「いいから。心春はソファに座ってて。乾燥機にかけたらカフェラテ作ってあげるから」

私の手からワンピースを取り上げると、それ以上口を挟ませずに別のドアに消えてしまった。

手持ち無沙汰になって仕方なくソファに座った。

戻ってきた洋輔さんはすっきりと片づいたキッチンに入り、無駄のない動きでカフェラテを入れている。

自宅にもお店と同じコーヒーマシンが置いてあるのが見えた。

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