初恋はカフェ・ラテ色

大人への階段

め、目の毒っ!? どういう意味? 色気がない脚なんか目障りで? それともありえないけどそそられる感じ? いろんな意味に考えられるけれど、おそらく見たくないからなのかも。

ガクッと肩を落とし、カフェラテを勢いよく口にしてその熱さにびっくりする。

「あつっ!」

唇から口の中、はたまた食道へたまらなく熱いカフェラテが通っていき、飛び上がりそうになった。

最初の一口はクリーム層で熱くなかったせいだ。
その下は熱いことを知っているのに。

私……めちゃくちゃ動揺しちゃってる。

「大丈夫か!?」

テーブルの上のティッシュを数枚抜き取って渡してくれる。それから水を持って来てくれた。

「ご、ごめんなさい。思ったより熱くて……」

はぁ~ 私、なにドジってるんだろう。ふたりきりの大事な時間を。こんな機会、ないのに……。

ティッシュで口元を拭いながら自己嫌悪に陥る。

「気をつけて」
「……はい」

お水を飲んでやっと落ち着いたけれど、洋輔さんを面と向かって見ることが出来なかった。

< 39 / 263 >

この作品をシェア

pagetop