初恋はカフェ・ラテ色
きれいに畳まれたワンピースを手にすると、寝室に駆け込むようにして入った。

ビキニのショーツを見られたと思えばいい。

動揺を鎮めるために自分に言い聞かせてから、ワイシャツを脱ぎ急いでワンピースを身につける。

先ほどの出来事でまだ顔の赤みは消えていないけれど、待たせてはいけないと寝室を出た。

洋輔さんは窓辺に立ち外を見ていた。

外が暗いからガラス窓に端正な洋輔さんの顔が映っている。

はぁ~ 寝ちゃうなんてもったいないこと……。

眠らなければいろいろな話を出来たはずなのにと、後悔しながら洋輔さんの元へ近づく。

「洋輔さん……」
「あ、用意できた?」

考え事をしていて我に返ったように振り返る洋輔さんにコクリ頷く。

「じゃあ行こうか」
「はい」

ソファの端に置かれていたバッグを肩から下げると、洋輔さんの後を追った。

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