初恋はカフェ・ラテ色
再び自転車を漕ぎ、赤の窓枠が鮮やかな『カフェ・グラン・ロッソ』が見えてきた。今日はオープンテラスにしてビールを飲んでいるカップルがいる。
店の端に自転車を停めて、店の中へ入る。
「いらっしゃいませー あら、心春ちゃん!」
レジにいた奈々さんが笑顔で出迎えてくれる。
「今日はもっと早くに来るかと思っていたわ。遅かったのね」
「お店の人手が足りなくて手伝っていたんです」
「じゃあ疲れたでしょう?」
奈々さんと話しながらカウンターを見ると、そこにいるのは洋輔さんじゃなくもうひとりのバリスタ、進藤さんだった。
進藤さんはカフェの学校を1年前に出てここで働き始めた。たしか27歳でカフェの学校へ行く前は銀行員だった変わり種の人。頭の回転が速く仕事が出来るから洋輔さんも安心しているみたい。
「あ、洋輔さんは厨房にいるの。おつまみのオーダーが多かったから」
「じゃあ、座ってますね」
カウンターは誰も座っていない。いつもの席に座ると進藤さんが私に気づく。
店の端に自転車を停めて、店の中へ入る。
「いらっしゃいませー あら、心春ちゃん!」
レジにいた奈々さんが笑顔で出迎えてくれる。
「今日はもっと早くに来るかと思っていたわ。遅かったのね」
「お店の人手が足りなくて手伝っていたんです」
「じゃあ疲れたでしょう?」
奈々さんと話しながらカウンターを見ると、そこにいるのは洋輔さんじゃなくもうひとりのバリスタ、進藤さんだった。
進藤さんはカフェの学校を1年前に出てここで働き始めた。たしか27歳でカフェの学校へ行く前は銀行員だった変わり種の人。頭の回転が速く仕事が出来るから洋輔さんも安心しているみたい。
「あ、洋輔さんは厨房にいるの。おつまみのオーダーが多かったから」
「じゃあ、座ってますね」
カウンターは誰も座っていない。いつもの席に座ると進藤さんが私に気づく。