初恋はカフェ・ラテ色
２２歳の現在、肩甲骨まで伸ばしているロングヘア。仕事中は後ろで一本の三つ編みにしている。

それを園児たちは楽しんで引っ張るのが悩みの種。

さささっとドレッサーの前で髪を三つ編みにして、薄いピンク色のカーディガンをブラウスの上から羽織った。

職場は最寄り駅から２つ離れたところにあり、電車通勤。

６月の今の時期、車内がクーラーで効かせすぎて寒かったりする。羽織る物は必需品だ。

今の職場を選んだ理由は、駅を挟んで反対側にバリスタの勉強を２年経て戻ってから洋輔さんのオープンさせたカフェがあるから。

少しでも近くに居たかった経緯がある。
　
結婚式で一目ぼれして、洋輔さんはすぐにイタリアへ行ってしまったからその間まったく会えなかった。

桜子ちゃんから結婚式のスナップ写真をもらい、その中に入っていた洋輔さんの写真をこっそり抜き取って大事に持っていた。

洋輔さんを好きだと思う気持ちは冷めやらず、毎日まるでアイドル写真に見惚れるファンみたいに眺めていた。

< 6 / 263 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop