初恋はカフェ・ラテ色
「でもそうしてくれないと来られなくなっちゃいます……」
「そんなこと気にしないでいいのよ。心春ちゃんは洋輔さんの特別なんだから」
洋輔さんの特別……ちっとも嬉しい言葉じゃない。私の従姉桜子ちゃんが洋輔さんの義姉ってことだから。
困っていると、そこへ洋輔さんが現れた。
「心春、送っていくよ」
「でもまだ営業中だし、気をつけて帰るから大丈夫だよ」
本当は洋輔さんに送ってもらいたい。でも、それは甘え過ぎで強がる。
そこへドアが開いて、お客様が入ってきた。
「春、やっぱりここにいたんだ」
桜子ちゃんの弟、樹くんだった。たっちゃんは私のことを小さい頃から「春」と呼ぶ。
たっちゃんが屈託のない笑顔で近づいてくる。
「たっちゃん、どうしたの?」
「洋輔さん、こんばんは」
たっちゃんは洋輔さんに軽く頭を下げて挨拶する。仕事帰りなのか、紺のスーツを着ている。爽やかな笑顔は従兄ながらカッコいいと思う。洋輔さんが一番だけど。
「こんばんは。こんな時間にどうしたんだい?」
「春を迎えに来たんです」
迎えに来たってどういうこと? 頼んでないのに。
「そんなこと気にしないでいいのよ。心春ちゃんは洋輔さんの特別なんだから」
洋輔さんの特別……ちっとも嬉しい言葉じゃない。私の従姉桜子ちゃんが洋輔さんの義姉ってことだから。
困っていると、そこへ洋輔さんが現れた。
「心春、送っていくよ」
「でもまだ営業中だし、気をつけて帰るから大丈夫だよ」
本当は洋輔さんに送ってもらいたい。でも、それは甘え過ぎで強がる。
そこへドアが開いて、お客様が入ってきた。
「春、やっぱりここにいたんだ」
桜子ちゃんの弟、樹くんだった。たっちゃんは私のことを小さい頃から「春」と呼ぶ。
たっちゃんが屈託のない笑顔で近づいてくる。
「たっちゃん、どうしたの?」
「洋輔さん、こんばんは」
たっちゃんは洋輔さんに軽く頭を下げて挨拶する。仕事帰りなのか、紺のスーツを着ている。爽やかな笑顔は従兄ながらカッコいいと思う。洋輔さんが一番だけど。
「こんばんは。こんな時間にどうしたんだい?」
「春を迎えに来たんです」
迎えに来たってどういうこと? 頼んでないのに。