初恋はカフェ・ラテ色
「ほら、デート行っておいで」

このまま誤解させたまま去ってしまっていいのだろうか。商店街、ううん町内中に広まったらどうしよう。

「行こう。心春ちゃん」

順平さんに促されて歩き出した。

「順平さん、誤解されちゃってごめんなさい。あのおばさん、思い込みが激しいから」
「いいえ。俺はなんだか心春ちゃんが本当の彼女みたいで嬉しかったっす」

ここはさらっと受け流しておくべきだよね? まさか私を好きとかないよね?

「じゅ、順平さんっ、私本屋さんへ行きたいんです」

順平さんの言葉を聞かなかったことにして話を変える。

「本屋さんっすか?」
「仕事用に動物の本が欲しくて」
「それなら時間もあることですし、動物園にも行きませんか?」

まだ10時過ぎ。

久しぶりに動物園も良いかもしれないと賛成したところで駅に到着。
 
駅に着く前に目的地が決まり、スムーズに電車にも乗れた。


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