初恋はカフェ・ラテ色
「もうね……我慢しないと決めたんだよ」
「我慢? なにを我慢していたの?」

またも理解できない言葉に首を傾げる。

「今はまだ言えないな」
「教えてくれてもいいのにっ」

そう言われたら是が非でも知りたくなるのが人ってもので……。

「オーナー! オーダー入ります! アイスコーヒーにエスプレッソ、あーんどアイスモカです!」

私の横に来て太一が声を張り上げた。

「同窓会のハガキ来てたよ」
「だろ? もうかれこれ4年ちょっと会ってないもんな」
「うん。そうだね。社会人になってちょうどいい時期なのかも」

太一と話しながらも目は洋輔さんを追っている。そんな私を見て太一がこれみよがしに大きなため息を吐く。

「よだれ出てるぞ。よだれが」
「えっ!」

急いで手を口元に持っていくけれど、よだれなんて出ていない。

「まったく、哀れな奴だよ」
「もうっ! 何が哀れなのよ! 私の勝手でしょっ」

そこへ洋輔さんが出来上がったアイスコーヒー、アイスモカ、エスプレッソを次々と出す。

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