初恋はカフェ・ラテ色
「本当です! そんなのカフェのスタッフなら全員知っていることです。私は14歳の頃から洋輔さん一筋ですからっ」
川村さんは下唇を噛んでいる。
「太一くんが心春さんを好きでも、付き合わないと言うことですね?」
「はぁ? 太一が私を好き? そんなのありえないよ。私たちは単なる高校の同級生だし。余計な心配なんてこれっぽっちもしなくていいんだから」
ようやく川村さんは納得したように頷いた。
「これからは心春さんが仲良さそうでも気にしないことにします。失礼しました」
ぺこりと頭を下げて私の言葉を待たずして『カフェ・グラン・ロッソ』の方へ行ってしまった。
川村さん、太一が好きなんだ。なんとなくわかっていたけれど……でもっ、なんなのっ! 私が八方美人って……誰が見てもバカみたいに洋輔さん一筋ってわかっていると思ってた。
川村さんのことを皮切りに、その週は大変な事ばかりだった。
まず翌日の朝食を食べているとき、お父さんが順平さんの目の前で土曜日にまたふたりで出かければいいと発言し、慌てて友達と用事があるからと断った。
川村さんは下唇を噛んでいる。
「太一くんが心春さんを好きでも、付き合わないと言うことですね?」
「はぁ? 太一が私を好き? そんなのありえないよ。私たちは単なる高校の同級生だし。余計な心配なんてこれっぽっちもしなくていいんだから」
ようやく川村さんは納得したように頷いた。
「これからは心春さんが仲良さそうでも気にしないことにします。失礼しました」
ぺこりと頭を下げて私の言葉を待たずして『カフェ・グラン・ロッソ』の方へ行ってしまった。
川村さん、太一が好きなんだ。なんとなくわかっていたけれど……でもっ、なんなのっ! 私が八方美人って……誰が見てもバカみたいに洋輔さん一筋ってわかっていると思ってた。
川村さんのことを皮切りに、その週は大変な事ばかりだった。
まず翌日の朝食を食べているとき、お父さんが順平さんの目の前で土曜日にまたふたりで出かければいいと発言し、慌てて友達と用事があるからと断った。