初恋はカフェ・ラテ色

親友のアドバイス

地元のファミレスで会うことになり、先に到着したのは私。

あかりの職場は有楽町だからあと15分はかかるはず。

地元といっても、駅を挟んで商店街とは反対のファミレス。商店街側にもファミレスはあるけれど、こちらなら知り合いに会う確率が低い。

商店街の人たちは噂好きだから、私と順平さんが出かけたことも翌日には広まっていて、出勤時何度も足を止める羽目になった。

ぼんやり入口の方を見ていると、あかりが入ってきた。すぐに私の座っている場所にやってくる。

「早かったね」
「電話したとき、もう駅に向かってたんだ」

あかりはバッグを隣のイスに置くと「はぁ~」と疲れたように大きくため息を吐く。

「ケンカの原因はなあに?」

注文を済ませ、ウエイトレスが去ると聞いた。

「エッチが原因」

ぶすっとした顔ですごいことを言うあかりに、私の目は大きく見開いて呆気にとられる。

「え? あ、あのエッチって? エッチ?」
「やだな。心春ったら、顔が赤くなってるよ。エッチって言ったらセックスのことだよ」

あかりは少し表情を和らげた。

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