夜に見た太陽

上履きを靴に履き替える。

「ずっと気になってたんだけどさぁ〜」

「何?」

「ここらへんなんで線がはいってんの?」

うちが手首から肩に掛けての線を指指した。

「なんだろねー?」

ぶーと膨れたうち……

それから、外に出て
いつもの帰路に向かった。

家は、隣同士だからそのまま歩いてる。
優ちゃんと途中で分かれなくて済む

そーやって思ってたのはいつからだっけ?

いろいろ考えてると赤信号なのに渡ろうとしていた。

「おい…お前」

優ちゃんが大声出してくれてやっと我に返った。

直ぐ横を見たら大型トラックがうちに徐々に近づいていた。

まだ3歳のせいか
トラックの運転手はうちが見えないのだろう?


咄嗟に目を瞑った。

うち死ぬんだぁ〜
天国っていい所かなぁ?
うち勝手に死んじゃうからもしかして地獄かも……

閻魔様とお友達なれるかなぁ?


短い命だったなぁ〜
本当は………

死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない

ママと別れるのがやだ、お兄ちゃんと別れるのがやだ、それから………

優ちゃんと別れたくない
別れるのがやだ




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