一途な彼は俺様モンスター
まるで予想してたかのような表情で、ニヤリと微笑む空翔さん。

そして、私の体を優しく起こしてくれた…





「怪我ない?」

「う、うん…大丈夫…ところで…さっきのは…」


一体・・・?





ドガーーーーンッッ





「きゃあっ…!」


またものすごい音がする。

私は、とっさに耳を押さえた。





「…ったく…ショボいやつ(モンスター)は、せっかちだな…おまけに、人間の言葉も喋れねえし…でも」



ドガーーーーンッッ







私たちのいる場所めがけて、なにかが飛んできた。

空翔さんは私を抱え、一瞬で近くの駐車場に瞬間移動する。






「ここで待ってろ。絶対動くなよ」

「は、はい…」


そう言って空翔さんは、私から離れようとする…




「空翔さん!」

「…っ!」



私はとっさに、空翔さんを引き止めた。





「…あの……」


引き止めちゃったけど…

何て言ったらいいのか、わかんなくなっちゃった…


でも、なんだかすごく不安になっちゃって…気がついたら、空翔さんを引き止めてた…



そんな私に気づいたのか、空翔さんは私に笑顔を見せてくれる。






「心配すんな」

「あ…」


そう言って宙に浮き、私から離れていく空翔さん。

空翔さんを、目で追うと…






な、なにあれ…



電柱の上には、緑色をした奇妙な生き物が立っていた。
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