一途な彼は俺様モンスター



真剣な面持ちで話す、真由子さんと楓雅さん。



私は倒れているモンスターに再び目をやり、

もし空翔さんがいなかったことを考えると…怖くて怖くてたまらなくなった。




私を狙うモンスターがいるなんて…

今までちゃんとそのことに、向き合って考えてなかったかも…


お兄ちゃんのフリをしていたあのモンスターのことがあった後、空翔さんに言われた。


私の血を狙うモンスターは、たくさんいるから気を付けろって…



それは、このことだったんだ。



襲われてから、改めて気づかされるなんて…

私、浮かれすぎてる証拠だよ。




空翔さんたちと出会って、楽しいことがたくさんあるからって…

自分に流れてる特殊な血液のことなんか、半分忘れてた…


私はまず第一に、自分の血のことを考えなきゃいけない。

この血を狙ってくるモンスターは、他にも大勢いるはずだから…


だから、空翔さんたちだって…私を守るために一緒にいてくれるんだもん…




でも…

そう考えると、自分に流れている血が少し妬ましいかも…



私だって…

何も考えないで、普通に暮らしたい…


高校生らしくいたいし、

遊びたいし、


それに…





この血が流れている限り、恋愛だって自由にはできないのか…

私のこと、ちゃんとわかってくれてて…

悪いモンスターから守ってくれる…


そんな人いるのかな…













その時、空翔さんとバチっと目があった。








カァァァ…






なんで気づかなかったんだろう…


私のそばには…いつも空翔さんがいる…



強くて、

私を敵から守ってくれる…

最強のモンスター…




もし恋をするとしたら…



私には・・・

この人しかいない…の…?
< 104 / 202 >

この作品をシェア

pagetop