一途な彼は俺様モンスター
「とりあえず、今日は帰るか…」

「そうだね。私は残骸処理を手伝うわ」





真由子さんは、そう言って空翔さんに近寄る。




「楓雅。浅海と一緒にいてくれ。俺は真由子とバネで、こいつを片付ける…」

「了解」




空翔さんたちはその場に残り、楓雅さんだけが私の元へ…





「…公園に戻って、花火の後片付けしようか。手伝ってくれる?」

「…は、はい。もちろん!」


私は楓雅さんと、公園へ向かった。





「…浅海ちゃん大丈夫?あんなやつが急に襲ってきて、びっくりしたでしょ?」






公園へ向かう途中、楓雅さんが私に話しかけてきた。





「…はい」

「だよな。ま、空翔がいたからよかったけど…」

「そうですね…」


1人だったら、私は今頃どうなっていたことか…

それに…




「地面のコンクリートとかも割れちゃったけど…大丈夫なんですか?他の人にバレたら色々と厄介だし、私もあっちを手伝って早く終わらせた方が…」

「いや…人間にモンスターは見えないんだ。だからさっきあいつが襲ってきたことや、音も…俺達しにか見えないし聞こえないんだよ」

「えっ…」


そうなの…?





「確かに地面のコンクリートが割れていたけど、人間界のものが壊れたわけじゃなく…あくまでも俺らモンスターの世界のものが壊れたつーか…うまくいえないけど…」


ポリポリと頭をかく楓雅さん。





「浅海ちゃんと真由子が、モンスターを見らたのは…俺らヴァンパイヤのパートナーだからだよ。パートナーになった女には、それなりの妖力が与えられるからね」

「…そうなんですか」

「浅海ちゃんはまだ、パートナーになって浅いから…人間界とこっちの世界の区別ができないだけだよ。慣れてくればわかるようになるよ」
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