一途な彼は俺様モンスター
寝てたのに、私のうなりのせいで空翔さん起こしちゃった…





「お前のせいじゃねえよ。さっき言っただろ?気配で起きたって…」


ふっと鼻で笑い、空翔さんは冷蔵庫からビールを出した。





「気配って…どんなものなんですか?」

「…んー簡単に言うと、モンスターがいるような気配つーか…いや本当はいないのはわかってるんだけど…」

「???」


空翔さんの言っていることが、イマイチよくわからない私…

頭には?マークが並ぶ。





「なんつーのかな…あー人間てムズいな。俺らとここまで違うんだよな、うーん…」


そう言って缶ビールをプシュッと開け、うーんと考える空翔さん。





「ああ。胸騒ぎ?それに近い…かな」

「胸騒ぎ?あーなるほど!」


それなら、なんとなくわかるかも!





「良かった伝わって。日本語もムズいけど、人間語もなかなか難しいな」

「人間語ってなんですか?」


クスクス笑う私。





「当たり前だけど、お前ら人間の感じてるものと俺らモンスターの感じてるもんは違うわけで…それを言葉で伝えるのってムズいわけ」


空翔さんの言葉を、ウンウンと聞く私。





「元々俺らは、自分らの感情を言葉で伝えたりはあんまりしないから…言葉にしろって言われると困…つーかなんでこんなどーでもいい話してんだよ。夜中の1時過ぎに、国語の話してどうすんだ」

「ハハハ、国語(笑)」


確かに国語の話してた!





「国語っていえばお前…もうすぐ学校じゃねえの?いつから?」

「あさってからです。ちょっと緊張してるんですよね…すごい久しぶりだから」


お兄ちゃんのことがあって、一学期の終わり辺りは学校行かなかったし…





「ふーん…ま、せっかくだしあと半年間くらいはがんばって行けよ」

「はい!学校に友達いないですけど、頑張ります♪」

「ハハハ、大丈夫。その辺は心配すんな」

「え?」
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