一途な彼は俺様モンスター
空翔さんの言葉に、なんとなくひっかかったが…

今はなぜか突っ込めなかった。




「今日…」

「え?」


ビールを片手に、私の座っているソファーの隣に腰掛ける空翔さん。





「あんなモンスター見てびっくりしたろ?」





花火のあと、モンスターに襲われたあの出来事を思い出す。





「…はい、少し」

「ごめん…お前にフォローしなきゃと思ってたんだけど、処理に時間がかかって…」

「そうなんですか?」


花火の後片付けしたあと、私と楓雅さんと先に帰ってきて、そのまま寝ちゃったんだっけ…





「ああ。真由子があのモンスターの生体を調べるためにも、雑には持って帰れないからな…心臓は心臓、脳みそは脳みそって一つ一つ分けて…」

「う…」


急に吐き気がしてくる…






「あ、悪い悪い。いつものくせで…」

「わざと言ったくせにー」


もー

もろ頭に思い浮かべちゃった…!





「良かった…笑ってて。安心したよ」

「…!」


安心したように微笑む空翔さん。






「あんなことがあったから…精神的にやられてんじゃないかって思ってた。もう外出るのとか嫌になったかなーとか」

「空翔さん…」


私のこと、心配してくれてるんだ…






「…大丈夫です。すごく怖かったけど…でも…空翔さんがいたから…」









自分でもびっくりする発言。




なんで私…

こんなこと言ってんの…?










「浅海…」




っ!






空翔さんの手がこっちに伸びてきて、私の長い髪そっと触れた…


髪はさらっとなびき、私の頬に当たる…
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