一途な彼は俺様モンスター
どきっ



確かに聞こえた、胸の鼓動…



それは驚いた時のものでも…


傷ついた時のものでもない…




明らかに、トキメキの音…

それは恋を呼ぶ音・・・・





「浅海…」

「は、はい…」


空翔さんに名前を呼ばれると、体に急に力が入る…

別に緊張してるわけじゃないんだけどな…







「髪に虫ついてる…」


「え…」


「ほら」


「…」



空翔さんが持っている私の髪の束の中に、虫らしきものがカサッと動いたのがわかった。








「ぎゃーーーーーーーーーー!」

「落ち着けって!てか、大声出すな」

「取って取って!」

「取ってるって。動くな」


暴れる私を、空翔さんは押さえつけながら髪についてる虫を取る。





バタンッ




びくっ




すると、何やら大きな物音が…






「何事~デスカー!ピーポーピーポー!」



!!!


バネちゃんが壁に激突して飛びながら、部屋から出て来て何やらブツブツと言っている…






「バ、バネちゃん!?」

「あーまた寝ぼけてる…」

「寝ぼけてる!?」


ってことは、バネちゃん寝てるの?
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