一途な彼は俺様モンスター
「浅海!捕まえるの手伝えっ!」

「う、うん!」


がこっ


ストンっ




「バカ!バネっ」


バネちゃんが壁にぶつかりまくると、棚に置いてある物や壁にかけてある物が床に落ちる。

空翔さんが必死で捕まえようとするも、バネちゃんはすごくすばしっこい。






バタッ



ズドンっ





ガッシャーーーンッ





「あいつ!窓ガラス割って外に出やがった!」

「大変!」


脱走したバネちゃんを空翔さんが捕まえたのは、それから30分ほど経ったあとだった…

すっかり目が覚めてしまった私と空翔さんは、バネちゃんを部屋に寝かしつけたあと…散らかった部屋を片付けた。

そのあと、夜中やっていた映画を2人で観ていたら…気がつくと、空翔さんの隣で眠っていた私…


すごくぐっすり眠れて、スッキリとした気分になり…

お兄ちゃんの夢は忘れていた…







“空翔さんがいたから・・・”





私の中で、空翔さんが大きな存在になっている…

それはドキドキして…きゅんとして…

すごくくすぐったいんだけど…



でも、なんか安心するの。

なんだか懐かしいような…そんな気もする……


どうしてだろう…












二日後



きゅ…




2ヶ月ぶりくらいに、制服に袖を通してネクタイを締める。

全身鏡に映る制服姿の自分を見るのは、かなり久しぶりのような気がした。







コンコン




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